お客様の苦情やクレームに上手に向きあうことで、売上アップやブランドイメージの向上を実現できることをご存じでしょうか。
こちらの記事で、「苦情やクレームは宝物である」という「グッドマンの法則」の基礎知識、トリビア、さらに役立つおすすめ情報などをわかりやすくご紹介いたします。
ぜひ、ご活用ください。
執筆者の紹介
- マーケティングのススメ(スモールビジネス研究家)
- マーケティング実務経験30年
- 日本マーケティング協会マーケティングマスター
- 日本環境管理協会環境管理士一級
- 教員免許社会科中学校一種高校二種
- 社会教育主事
- メディア運営、電子書籍出版、マーケティングサービス、スペース開発事業などに取り組んでいます。
グッドマンの法則とは
グッドマンの法則とは、顧客の苦情やクレームとリピート購買に強い相関関係があることを示したセールスマーケティングの法則です。
グッドマンの法則を正しく活用することで、お客様のご不満をご指名やごひいきに変化させ、売上を拡大していくことができるのです。
グッドマンの法則には次の3つがあります。
- グッドマン第一の法則
グッドマン第一の法則は、企業にクレームや不満を伝えてくるお客さまのうち、クレーム対応にご満足いただいたお客様のリピート率は、クレームや不満の申し立てをしなかったお客さまよりもはるかに高くなるというものです。
具体的には次のグラフをご覧ください。
※出典:NPO法人顧客ロイヤルティ協会
米合衆国消費者問題局「アメリカにおける消費者苦情処理」調査(1975年~1979年、1982年)TRAP社調べより抜粋
このグラフは苦情を申し立てた人と申したてなかった人のリピート購入率をあらわしています。
この調査結果によると、苦情申し立てをして迅速に解決した人のリピート購入率は95%~82%でした。
苦情申し立てをしなかった人のリピート購入率と比較すると大きな差が認められます。 - グッドマン第二の法則
グッドマン第二の法則は、ネガティブな体験はポジティブな体験の2~4倍のネガティブなクチコミを発生させるなど、悪い評判は拡散しやすいというものです。
悪い口コミを20人以上の人に伝える人は全体の約12%もいると言われています。 - グッドマンの第三の法則
グッドマンの第三の法則は、企業が顧客に適切な情報提供を行うことで新たに顧客との信頼関係が構築され、ポジティブなクチコミが拡大し、シェアや市場の拡大に貢献するというものです。
この適切な情報提供というのは良い情報ばかりではなく悪い情報も含めて顧客のためになることにすべてです。
自社にとって不利益があったとしても、顧客にとって適切な情報であればしっかりと伝えたほうが顧客満足度は結果的に高くなっていくのです。
グッドマンの法則のトリビア
グッドマンの法則は、アメリカのマーケティング調査・コンサルティング会社「TRAP社」の創業者であり経営コンサルタントでもある「John A・Goodman」のに由来しています。
グッドマンの法則の名前は、アナウンサーであり白鴎大学経営学部教授の佐藤知恭氏が数々の法則をひとつにまとめて命名したものです。
※「グッドマンの法則」はNPO法人顧客ロイヤルティ協会が商標登録を行っています。
©NPO法人顧客ロイヤルティ協会・佐藤知恭
※出典:NPO法人顧客ロイヤルティ協会
ジョン・A・グッドマン氏と佐藤知恭氏
グッドマンの法則は、前述の米合衆国消費者問題局「アメリカにおける消費者苦情処理」調査や、コカ・コーラ社、GM社などの大企業が実施したマーケティング調査の結果をなどから発見されました。
現在においてもグッドマンの法則は「風化することのない不変の法則」として位置づけられています。
グッドマンの法則の例
グッドマンの法則の有名な事例をご紹介します。
「ユニクロの悪口言って100万円」キャンペーン
㈱ユニクロは1995年に全国紙に一面広告を出して「ユニクロの悪口言って100万円」というキャンペーンを実施しました。
ユニクロの悪口言って100万円
— tight shoes (@satoru_121) January 21, 2021
今や日本の時価総額トップ10に入る大企業ファーストリテイリングの初期の有名なエピソードです。#柳井正 #UNIQLO #広告 #アイディア pic.twitter.com/2mlNusitV9
このキャンペーンでは約1万通の悪口が寄せられ、その顧客の声を真摯に聞いて商品開発に反映させたことでユニクロは顧客満足度を大きく向上させることに成功しました。お客さまの声はうれしい声も厳しい声も、はたまた単なる質問であったとしても、まずは企業側がしっかり耳を傾けるということが重要です。
グッドマンの法則の関連書籍
グッドマンの法則に関連する書籍をご紹介します。
グッドマンの法則の関連書籍 | 概要 |
グッドマンの法則に見る 苦情をCSに変える 「戦略的カスタマーサービス」 |
ジョン・グッドマン (著), 畑中伸介 (翻訳) |
顧客体験の教科書 |
ジョン・グッドマン (著), 畑中 伸介 (翻訳) 本書は、顧客対応が窓口となり、より予知的で能動的な サービスの展開を行うことで、顧客からの信頼を生み、 企業経営全体に好循環をもたらすことをわかりやすく 解説しています。 参考価格 Kindle版:2,574円~(税込) Amazon:2,860円~(税込) 【お申し込み】 顧客体験の教科書 |
※横スクロールでくわしい説明をご覧いただけます。
※参考価格は変更される場合があります。
【おすすめ】知っておくとうまくいく法則集
グッドマンの法則の他にも、知っておくとうまく行く法則はたくさんあります。
こちらで、人間関係、学び、ビジネス、そして人生の先輩である先人達の経験側などの法則を1冊にまとめたおすすめの書籍をご紹介いたします。
おすすめ書籍 | おすすめポイント |
人づきあい、学び、ビジネス、先人の経験側 「知っておくとうまくいく法則集」 人生が大きく好転する成功のヒントが満載!! |
マーケティングのススメ (著) 【お申し込み】 |
※横スクロールでくわしい説明をご覧いただけます。
※参考価格は変更される場合があります。
こちらは本書に収録している法則の一覧です。
- 人づきあいに役立つ法則
アロンソンの不貞の法則、言い出しっぺの法則、コベットの法則、両面提示の法則、片面提示の法則、松竹梅の法則、類似性の法則、好意の法則、ボッサードの法則、開放性の法則、マンローの法則 - 学びに役立つ法則
1万時間の法則、1.01の法則と0.99の法則、マシュマロの法則、エメットの法則、スタージョンの法則、メイヤーの法則、マーフィーの法則、チズホルムの法則、努力逆転の法則、ドレイゼンの復元力の法則、ズーニンの法則、カルマの法則、90対9対1の法則、40対40対20の法則、5対2対2対1の法則、3Bの法則、ポッターの法則、フィッツの法則、ステアリングの法則、KISSの法則、カニンガムの法則、ベターリッジの見出しの法則、Zの法則、Fの法則、グレジャムの法則、90対90の法則、ホフスタッターの法則、ディヘイの法則、ランスの法則、マニャーナの法則、ヤーキース・ドットソンの法則、量質転化の法則 - ビジネスに役立つ法則
一物一価の法則、サーノフの法則、3対33の法則、1対5の法則、5対25の法則、ジラードの法則、チェンバースの法則、日本商社の交渉の法則、ピークエンドの法則、グッドマンの法則、3の法則、メトカーフの法則、セイの法則、ジャーディン・フレミングの法則、ピーターの法則、ディルバートの法則、ハインリッヒの法則、シャーキーの法則、ロミンガーの法則、ビル・ゲイツの法則、シャチの法則 - 先人達の経験則
リトルウッドの法則、マーチンゲールの法則、ゆでガエルの法則、ヴァン・ヴェーレンの法則、アンナ・カレーニナの法則、競争排除の法則、選択回避の法則、現状維持の法則、パレートの法則、2対6対2の法則、限界効用逓減の法則、希少性の法則、社会的証明の法則、権威性の法則、チャルディーニの法則、奇数の法則、左回りの法則、マズローの法則
こんな方におすすめ
- 毎日のくらし、お勉強、お仕事、人間関係などにマンネリを感じていらっしゃる方
- 営業、商談、打ち合わせなどで話す小ネタをお探しの方
- 企画やクリエイティブの刺激を求めていらっしゃる方
- 教育、部下指導、マネジメントなどに様々な法則を取り入れてみたい方
おすすめの使い方
読者の声
- 同じ過ちを犯さなくなった。
- 何事にも予測や仮説を立てられるようになった。
- 発言したり行動する際に一拍置いてから落ち着いて行動できるようになった。
- 何事も楽観的に考えることができるようになった。
- 雑談や商談の際にイニシアティブを取れることが多くなった。
- 「勉強されてますね」と褒められた。
- 家族や友人から尊敬されることが増えた。
- 面接で一目置かれた。
- 口論になった時に落ち着いて反論できるようになった。
- 何事にも好奇心が強くなった。
著者
【おまけ】試してみる価値ありのユニークな法則
おまけとして試してみる価値ありのユニークな法則もご紹介いたします。
- ポイ活×クリプトでわらしべ長者の法則
- 健康×貯蓄で一石二鳥の法則
- おトクなクリプトデビューのおすすめ情報
【まとめ】苦情やクレームは宝物【グッドマンの法則】の基礎知識・トリビア・おすすめ情報
グッドマンの法則についてご紹介させていただきました。
※「グッドマンの法則」はNPO法人顧客ロイヤルティ協会が商標登録を行っています。
©NPO法人顧客ロイヤルティ協会・佐藤知恭
こちらのブログでは、しごと、学び、くらしに役立つマーケティング情報をお届けします。
【こちらもご覧ください】
フォローと読者登録をお待ちしています。