【他企業事例研究】マーケティングのケーススタディ分析【フレームワーク】【テンプレート】

こちらの記事でマーケティングの事例研究に役立つ「ケーススタディ分析」を解説します。
競合企業の動向を研究していて、上司や先輩から「マーケティング事例をまとめておいて！」と丸投げされたことありませんか？
昨今は、ビジネス環境が激変している真っ只中ですから、ケーススタディの分析を求められることが増えています。
一般的にケーススタディの資料は作成のルールや見本が無いので、なんとなく作成して「ちょっと違うんだよなぁ。」とダメ出しを食らいお困りになったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、だいじょうぶです。
こちらの記事で紹介するケーススタディ分析のフレームワークやテンプレートを活用すれば、事例研究の情報を論理的＆わかりやすく整理することができます。

ぜひ、ご活用ください。

この記事でわかること

• マーケティングの事例研究に役立つケーススタディ分析の方法がわかります。
• ケーススタディ資料の作成に役立つテンプレートを紹介します。

執筆者の紹介

• マーケティングのススメ
• マーケター、ブロガー、Webライター、EC運営
• 元広告代理店マーケティング部長
• マーケティング実務経験30年
  商品・サービス分析のスペシャリストです。
  モノゴトの本質とバリューをわかりやすく整理してお伝えします。
• 日本マーケティング協会マーケティングマスター
• 日本環境管理協会環境管理士一級
• 教員免許社会科中学校一種高校二種
• 社会教育主事

この記事のメリット

• グラフィカルでわかりやすいケーススタディ資料を効率的に作成できるようになります。
• ケーススタディ分析スキルを習得することで、マーケティングの構造理解を深める習慣が身に付きます。
• 様々なケーススタディをストックしていくことで、あなたのマーケティングノウハウがより一層充実します。
  そのノウハウを打ち合わせやプランニングで活用することで、より論理的でクリエイティブなマーケティングを展開できるようになります。

ケーススタディ分析とは

まず、マーケティングのケーススタディについて解説します。

• あの時成功したあのブランドは何をどうやったのか？
• 競合企業はなぜシェアをアップできたのか？
• 異業種のブランドのマーケティングを有効活用できないか？

そのようなビジネスの問いに対応して、事例を研究しKFS（Key Success Factor：重要成功要因）を導き出すことをケーススタディ分析と言います。
ここで言うケースとは、企業のマーケティングの意思決定とその効果や実績を指します。

• 意思決定については、その背景や環境の分析、課題設定、仮説づくりと検証方法、マーケティング戦略、そして様々な戦術や施策の実行について、どのように考え、それぞれをどのように組み立ててきたのかを分析します。
• 効果や実績は意思決定を受けて実行した施策のKPI（Key Performance Indicator：重要業績評価指標）の動向などを分析します。
  具体的には「販売額やシェアの達成率がどうなった......」などです。

ケーススタディ分析からはその意思決定主体がマーケティングをどう考えたのか、そしてマーケティング理論をどのように応用し、独自のアイデアやノウハウを創造し得たのかを学ぶことができます。
また、ケーススタディ分析ではあのブランドがなぜつまづいたのか、その時どうするべきだったのかなど失敗事例からも多くのことを学ぶことができます。
さらに事件事故や自然災害などへの対応方法など、ビジネスを取り巻く様々な分野で、数々の企業の活動事例を学ぶことができます。

ケーススタディ分析の構成要素

ケーススタディ分析の具体的な実行方法を確認していきましょう。
ここでは、ビジネスの様々な立場のステークホルダーに対して、汎用的に通用するケーススタディ分析の構成要素を明確にしていきます。

ケーススタディは大きく分けて、戦略、戦術、実績の3要素で構成されます。

戦略とは「マーケティングをどう考えたのか」である

戦略は4P、4C、3C、STPを分析します。

戦術とは「マーケティングをどう組み立て何をしたのか」である

戦術では主にブランディングやコミュニケーションなどを分析します。
ブランディングは、企業、店舗、商品、サービス、メディアなどの見せ方を工夫して、ブランドの権威性、価値の世界観、安心感などのイメージをつくることを指します。
コミュニケーションは、ターゲットに対して、ブランドを認知させ、興味を刺激し、ベネフィットの理解共感を獲得し、体験や売場に誘導して、成約させ、優良顧客へと育成していく仕組みで、そこに展開するクリエイティブ、メディア、テクノロジー、プロモーションなどを指します。

実績とは「マーケティングの成果は何なのか」である

実績は、KGI、KPI、その他の成果を分析します。
その他の成果とは、メディアにどれだけ取り上げられたとか、SNSでバズったなどの拡散効果や、インナーや販売店のモチベーションをどれだけアップさせたなどのインナー効果などを指します。

ケーススタディ分析のテンプレート

テンプレートの解説に進みます。

ケーススタディ分析のテンプレートのメリット

• 時間や手間をかけずにケーススタディ分析の必要要素をコンパクトにまとめることができます。
• ワンシートで完結します。
  プレゼンテーションや打ち合わせなどで説明しやすく、オーディエンスのスピーディで直感的な理解を得ることができます。

ケーススタディ分析のテンプレート

今回は2つのフォーマットを紹介します。

テンプレート-1

マーケティングの意思決定に必要なベーシックなチェックポイントをロジカルにレビューできるレイアウトになっています。

• たくさん書き込まずワンワード・ワンセンテンスで収めると見栄えがよくなります。
• 手間がかからずかんたんにつくれます。
• 同じテンプレートで、ケーススタディを量産する時に便利です。

テンプレート-2

テンプレートの記載例

テンプレートの記載例として、有名インテリアコーディネート企業の独自でユニークなマーケティング戦略と戦術を落とし込んでみました。

※ケーススタディ分析のテンプレートとして、マーケティングのススメが独自作成したものです。

テンプレート-2はマーケティング戦略と戦術の両方をフラットにレビューできます。

• 戦略と戦術の全体構造が直感的に確認できます。
• ターゲットに提供する価値をくわしく解説できます。
• マーケティング活動や施策をくわしく解説できます。
• チームでの共同作業やブレストで事例検討する場合におすすめです。
• 記載方法は、それぞれのボックスに対して、調べた情報を簡潔に記入していくだけです。
  資料作成の稼働と時間が短縮できます。
• このテンプレートを資料のエグゼクティブサマリーとして、個別施策のクリエイティブなどを別添資料としてセットすると、よりわかりやすいケーススタディ資料に仕上がります。

ケーススタディ分析のチェックポイント

ケーススタディ分析を実施する上で重要なチェックポイントを解説します。

ケーススタディ分析で扱う情報の正確性や鮮度は適切か？

ケーススタディ分析では、市場、業界、競合、ユーザー、テクノロジー、サービスなどの、さまざまな情報を活用します。
ここで、重要なチェックポイントとしてお伝えしたいことは、テンプレートに記載する情報の「正確性」と「鮮度」が、適切なものかどうかということです。
せっかく、ケーススタディ分析をしても、そこで扱う情報やデータが、事実と乖離していたり、古い情報であったりした場合、考え出される仮説の価値がとても低いものになってしまいます。
特に、テクノロジーやサービス分野の情報は、情報の更新が速いので、注意が必要です。
ケーススタディ分析を実施するときは、マーケティングの専門性と信頼性の高い情報源を活用するようにしましょう。

情報の正確性

• 出典が明らかな情報を使用しましょう。
• なるべく一次情報を使用しましょう。
• 専門性が高く、信頼できる情報源から入手しましょう。

情報の鮮度

• なるべく新しい情報を収集しましょう。
• リリース後、1年以内の情報を使用しましょう。

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まとめ【他企業事例研究】マーケティングのケーススタディ分析【フレームワーク】【テンプレート】

他企業のマーケティング分析に役立つ、ケーススタディ分析を紹介させていただきました。
マーケティングの作業効率がグッとアップしますので、ぜひ、ご活用ください。

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